写真判定のおしごと

このページは競輪場の業務について紹介していきます。記念すべき第1回!今回ご紹介するおしごとは「写真判定」です。
選手がゴールする瞬間を正確にとらえ、着順を決定する上で非常に重要な役割を果たしています。レース映像を見ていて「よしっ!多分当たった!おそらく差されていない!」と思っていても、写真判定の結果ハズレになり「嗚呼・・・裏も押さえておけば・・・」などと思うことは日常茶飯事なのです。

これが実際の写真です。
細かい線が入っているのが普通の写真と違いますね。

どこで撮っているの?

松阪競輪場のこの部分にカメラ室があります。
ちょうどゴール線の真上ですね。
ちなみに同じ場所に実況室もあります。

この後ろ姿の男性は松阪競輪の実況を担当されている立野純アナウンサーです!

畳1畳分くらいの狭い部屋なのが申し訳ないです・・・
手には情報をびっしり書き込んだ出走表が握られています。
バンク全体を見渡しながら、見えにくい箇所はテレビ画面を見ながら実況をされています。

その隣にはレース映像を撮っているカメラがあります。
景色はこんな感じなので、高いところが苦手な方はできないでしょう。

どんなカメラで撮っているの?

写真を撮るカメラは電子式スリットカメラと呼ばれています。
この細い隙間の部分がちょうどゴール線の位置になっています。

ざっくりした仕組みをご説明するとこのゴール線の部分だけを物凄いスピードで連写しています。(約1000分の1秒!)
この連写スピードはボートレースや競馬など対象物のスピードによって変更しています。

できあがった写真は連写したものをつなぎ合わせたものになっています。

ですので、ここに写っているものは全てゴール時の写真というわけです。
詳しい仕組みについては
https://www.shashin-hantei.co.jp//camera/index.html
をご覧いただくと分かりやすいと思います。

写真のように4番の選手の前輪が他の選手と重なっていて着順が分からない場合は、ゴール線にある鏡に映った“反対側からの写真”を参考にしています。

写真の上の部分が鏡に映った“反対側からの写真”になります。

これはカメラのシャッターを切るスイッチで「クラッチ」と呼ばれています。
ですので、このスイッチを見かけた場合は「お!クラッチじゃん」などと言っていただけると、ごくごく一部の人達から「こいつ・・・わかってやがる!」と羨望の眼差しを向けられること間違いありません。

さあ、レースが始まります!

レースが始まる前に、カメラに異常がないかチェックをします。
審判がスタートのピストルを撃つのと同時に、カメラのタイマーが回り始めます。
カメラはメイン・サブの2台体制で行っており、万が一トラブルがあっても対応できるようになっています。

残り1周になると、先ほど紹介した「クラッチ」を握りしめます。
ナイター、ミッドナイトの時は照明をONにします。
カメラのフラッシュの役割をしていますが、近くで見るとド迫力です。

選手がゴールする瞬間を撮影!!!(この瞬間がドキドキだそうです)すぐに写真がモニタに映し出されます。
このモニタとPCは審判につながっており、異常がなければここで審判に操作権が移ります。ですので「写真を編集して着順を操作している」といった都市伝説の類は一切ありません。

審判はこの写真を参考に、着順や着差を決定していきます。
そして電光掲示板や放送で、お客様に選手の順位をお伝えする、という流れです。

昔の写真判定は・・・

写真判定がデジタル化されたのは、実はつい最近のこと。
それまでは「アナログカメラ」で撮影を行っていました。
ゴール後急いで暗室へ行き、そこで現像します。できた写真を審判に持っていくという作業を行っていました。(目標は15秒!)その当時と比較すると今は随分楽になったということです。

現在はカラー写真になり鮮明になりましたが、それはそれで苦労するとのこと。
写真は天候や時間にものすごく左右されます。特にナイターの時は日没の関係で色が変わりやすく、調整が大変です。
バンク照明も水銀灯とLEDでは色味がかなり変わってきます。

なので、写真判定のおしごとは気象状況や時間帯にとらわれず鮮明な写真を撮ることが腕の見せ所だそうです!!!
今回は、写真判定のおしごとについてご紹介させていただきました。

【次回予告】
競輪場と言えば選手が走る大きなバンク!
バンクのメンテナンスに関するおしごとを紹介予定です。

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